幕末の波乱と男たちの生き様を描く歴史小説
幕末の動乱を駆け抜けた坂本龍馬、勝海舟、澤太郎左衛門——彼らが見た未来とは。
鳥羽伏見の戦いに敗れ、徳川幕府最後の将軍・徳川慶喜を護衛する開陽丸の壮絶な運命。
時代の変革に翻弄されながらも、己の信念を貫く武士たちの姿に心震える一冊。
歴史小説好きはもちろん、幕末・明治維新ファンにおすすめの一冊です。



「陽眠る」
上田 秀人
定価: ￥ 1700

#上田秀人 #上田_秀人 #本 #日本文学／小説・物語

慶応四年一月。
鳥羽伏見の戦いには敗れたものの、十五代将軍・徳川慶喜は薩長に対し徹底抗戦を主張。幕軍は意気軒昂であった。
幕府がオランダに依頼して建造された〈開陽丸〉の艦将・榎本釜次郎武揚も、「ここからが海軍の出番」と自負していた。
しかし、家臣たちの前で徹底抗戦を宣言したその夜、慶喜は大坂に停泊していた旗艦開陽丸で江戸へ逃げてしまう。
失望した榎本武揚は、海軍時代から榎本の右腕だった副艦将・澤太郎左衛門と、
大坂城から持ち出した十八万両を持って、開陽丸ごと徳川海軍を脱走。北へと向かう──。

17:18
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ISBN978-4-7584-1354-1
C0093 ·1700E
9784758413541
角川春樹事務所
定 ：本体1700円+税
1920093017008
一八六八年、
鳥羽・伏見の戦いに敗れた
徳川十五代将軍慶喜、
徳川海軍軍艦<開陽丸）にて江戸へ逃げ帰る。
「わかっているだろうが、もう徳用に
勝ち日はねえぞ」
一応の確認を、勝海舟がした。
「承知しておりまする」
先ほど武士の意地だと言った模本
釜次郎は黙り、澤太郎左衛門がうなずいた。
「開腸丸を存分に働かせてやりたい。
こんなすごい船があるのだということを、天下に示したい。・・・死に場所を失い、砲を下ろして輸送船のまねをさせられる。それては、あまりに寂しすぎましょう」
（本文より）
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