希少！昭和かな手本源氏物語精選歌集　

本晝の特色
源氏物語の中に嵌めこまれた七九五首の歌の中から専門家の手によって百八首を選歌、現代を代表するかな書家の方々によりこれを書作完成。
髙山辰雄画伯・石版源氏物語作品原画（未発表）を和紙にカラー印刷、巻頭を飾る。
■書作品は特に「かな手本」としての使用の便宜を考え、それぞれミツ折、バラ仕上げとし散逸を防ぐ為通し頁を付した。
■「かな手本」にふさわしく、すべて高級和紙を使用した。
■カラー作品三十九点・モノクロ六十九点。
半紙つき
◆本の大きさ
B4変36、4gm✕36、4cm。
一書作ページ＝ーー七（予定）。
◆定価 三万八千円（予約限定）

以下、当時日本芸術院院長であった有光次郎氏の賛辞です

「昭和かな手本・源氏物語精選歌集」賛辞
昭和かな手本・源氏物語精選歌集の企画と上梓に対し心からの賛意を表します。かな手本の素材は、源氏物語の中に詠みこまれた歌、七九五首の中から百八首が源氏物語にご造詣の深い埼玉大学教授・文学博士・長谷章久氏によって選ばれました。
書作されるのは、安東聖空先生はじめ現代を代表されるかな書家の方々、錦上には、高山辰雄先生の源氏物語絵、まことにすばらしい企画と存じます。日本の物語文学は「源氏」に高まって、それで極まり、と云われたのはノーベル文学賞を受賞された川端康成先生ですが、このような文学を生み、育てたのは、日本人の創り上げた「かな文化」にあると云えます。
現代の書の隆盛はまことにめざましいものがございますが、このときに間然するところがない、後世に残る企画が実現する事はまことに意義深いものがございます。
それにつけても、川端文学研究者であり、さきに近代詩文書の世界の金字塔ともなった川端文学燦文集を実現させたアート・プロデュース北川楽一氏が、ほん悩の世界の中に在る源氏物語の中の歌七九五首から百八首を選定し、現代を代表する、かなの書家の筆になるかな手本を上梓するその着想のすばらしさに敬服いたします。しかしこの事は、川端康成先生が心にかけて実現しなかった「川端源氏」に想いをはせての事もあろうかと思います。
なにはともあれ、高山辰雄先生の源氏物語絵が錦上に花を添えるこの昭和かな手本が完成した暁にはその道を志す人にはもちろん、かな書にあこがれる方々ばかりでなく、美術愛好者の宝物となることでしょう。