コンセルトヘボウ・ライヴ1978&1992

①モーツァルト:ピアノ協奏曲第25番 ハ長調 K503

②ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第1番 ハ長調 作品15



マルタ・アルゲリッチ(ピアノ)

ゴールドベルク指揮、オランダ室内管弦楽団 ①

ワルベルク指揮、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団②

録音:1978年①、1992年②



アルゲリッチの貴重なライヴ録音です。ここで演奏されるモーツァルトの協奏曲は、アルゲリッチの音楽家としての素晴らしさがすべて現れているといってもいいでしょう。音色の光と影、メロディに隠されたさまざまな感情が彼女の一音一音から感じ取ることができます。さらにベートーヴェンでは作品の持つ過去と未来への明確な思慮が見事に再現されています。レコード芸術特選盤、英グラモフォン賞、英Classical Brit Award。



モーツァルトの第25番は比較的オーソドックスな演奏。まだこの頃は、グルダ氏の教えに忠実だったのでしょうか。第1楽章は少し突込み気味の箇所がありますが、第2楽章と第3楽章ではタメもあり、細やかに音の表情をつけています。ベートーヴェンの第1番は、アルゲリッチのピアノとコンセルトヘボウの管弦が見事に溶け合った好演。DG盤との聴き比べも楽しそうです。



「情熱的」「ダイナミック」そして「気品とたぐいまれな優雅さ」、これが彼女の音楽の多面的な魅力です。アルゲリッチの演奏は、楽章の鍵となるフレーズにアルゲリッチならではの弾き方があると感じます。ときには強調であったり、ときには一音をスッと抜くように弾いてみたり、その繰り返し部分では、様々なニュアンスのバリエーションを付けたり。何通りにでも弾けるテクニックを駆使しています。それが実に心地よいのです。このアルバムは、アルゲリッチの演奏の中では比較的地味？なのかも知れませんが、アルゲリッチを楽しみ、知る上でとても良いアルバムだと思います。ライブ録音のため、聴衆との一体感が感じられ、返ってそれも魅力かも知れません。



国内盤、帯付き　9
盤面うすいすれありますが再生問題無し



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