◆「タスキメシ 箱根」額賀 澪
小学館/2019.11初版1刷
定価: ￥ 1,650

　2025年の箱根駅伝は青山学院大学の優勝で幕をとじました。往路の中央大学の独走、青山学院が5区での逆転、6区区間新。駒澤は7区の区間新を含め復路優勝するも総合では届かず、順天堂大学は7秒差でシード権を逃すなど今年も様々なドラマがあり、心が熱くなるいい大会でした。

　この作品は、そんな箱根駅伝が題材の小説です。
　紫峰大学駅伝部3年の仙波千早が、関東学生連合チームとして箱根2区を走る同大学森本の付き添いをするところから始まります。
　翌年は紫峰大学として箱根の予選会、本線と出場し、タスキをつなぎ、シード権内10位を目指します。
　物語に重要な役割を果たすのが、コーチの眞家相馬。日本農業大学時代は選手として箱根を走れなかったものの紫峰大学の大学院生兼駅伝部のアシスタントコーチとして食事のサポートを任されます。

　レース前に眞家が千早にかけた言葉があまりにも現実的で、説得力もあり印象に残ります。
「いいか、千早。努力は人を裏切るよ。ここぞというときに、裏切るよ」

タスキはつながったのか、シード権の行方は？
箱根駅伝の興奮が冷めないうちに読みたい作品です。

※帯が少し破れています。ご了承下さい。写真5枚目参照。
2025.1.3

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