ベートーヴェン

ディアベッリ変奏曲Op.120

（ディアベッリのワルツの主題による33の変奏曲 ハ長調 作品120）



ダニエル・バレンボイム(ピアノ)

録音：1991年



並外れた規模と内容をもつ作品の魅力をぐいぐいと引き出しており、圧倒的な感銘を聴き手に与えます。「変奏曲」という形式を得て究極の結晶となった傑作です。



推進力あるダイナミックな「ディアベリ」で、ぜひ全曲を通して聴いてもらいたい。各々の演奏はもちろん変奏どうしの関係もよく考えられ、高度に構築的なこの曲をめいっぱい楽しむことができる。バレンボイムの代表作の一つに数えられるだろう。（CDジャーナルより）



ベートーヴェンは1822年に最後のピアノ・ソナタである作品111ハ短調を作曲した後も、いくつかのピアノ作品を残している。「6つのバガテル」や、この「ディアベリのワルツの主題による33の変奏曲」である。この曲は、ウィーンの作曲家で出版家のアントン・ディアベリが、自身が作曲した主題を当時人気だった50人の作曲家に作曲を依頼したものだと言うのは、有名な話である。だがベートーヴェンも述べていたそうだけれども、このディアベリの主題は魅力に乏しいものだと言うことが、素人の耳でもわかる。そんな作品でさえ、ベートーヴェンはモーツァルトの「ドン・ジョヴァンニ」のメロディーを交えながら1曲の変奏曲に仕上げてしまう。さすが、音楽史上最大の変奏曲作曲家であると言えよう。バレンボイムの演奏は、そんなベートーヴェンの苦労を時々滲ませながらも、立派に弾き上げている。



「どうしてベートーヴェンはこんな曲を作ったのだろうか」という疑問を、おそらく多くのクラシック音楽ファンが一度は持ったことがあるのではないでしょうか。聴き始めの集中力が最後まで持続することが極めて難しいという「難曲」であります。第14変奏（Grave e maestoso）を乗り切れるかどうかが最初の関門で、その後の第20変奏（Andante）を寝ないで迎えることはまれでした。そういう曲ではありますが、バックハウス、ゼルキン、グルダ、アラウ、リヒテル、ブレンデル、ポリーニ、バレンボイムだどの大ピアニストがこの曲を録音しています。



国内盤【初期盤】帯無し、盤面傷無し　15



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