先ごろ他界した小説家ポール・オースターの代表作の一つである『シティ・オブ・グラス』のコミック・ヴァージョンで、漫画を描いているのは、デビッド・マッズケリ。翻訳は森田由美子という、実験的な一冊です。



マッズケリの画風は、オースターの物語にとてもよくマッチしていて、シュールなミステリー仕立ての世界を、小説とはまた違った魅力を持ったものへと仕立て直しています。ニューヨークの街がこの小説のもう一つの主題と言っていいかもしれませんが、その雰囲気が実にうまく捉えられていますし、ヴィジュアルな描写がなん度も鍵として出てくる小説世界を説得的なものにする役割も果たしています。オースターファンにはお勧めしたい一冊。



カバー上端に若干ヨレがありますが、目立った傷や汚れはなく、帯もそのままで、1995年出版（初版）を考えると、極めていい状態と言っていいと思います。



今や入手困難になりつつあるようで、高騰気味ですが、できるだけ価格は抑えました。参考までにアマゾンへのリンクを貼っておきます。

https://www.amazon.co.jp/シティ・オブ・グラス-Graphic-fiction-ポール・オースター/dp/4062076403