〈解説文は全て独自で書いております。無断使用はご遠慮下さい。〉

★昭和41年（1966年）第12刷発行。函付き。
★函＝背ヤケ、全体にヤケスレ傷汚れ、小口傷み有
★本体＝背の天地に破れ有り、角スレ傷有、
　　　　見開き、見返しにヤケ、住所氏名の記入有
　　　　三方に経年のヤケシミ汚れ有。
　　　　本文ページ内にも汚れのあるページ有。

★★上記以外、本文内に目立つシミ汚れ等ほぼ無く、ご愛読に支障は御座いませんが、58年経過の古書です。背の天地の破れ等、気になる方はお避け下さい。

　第二次大戦中の、ドイツの地方で暮らす二少女の、友情のお話です。

　冒頭、ある家庭に、住み込みの女中として、22歳の若い娘が面接にやって来ます。

　働き者で、意思のはっきりとした娘の名はクリステル。気に入った主人夫婦は雇おうとしますが、一つの条件が出されます。

　それは、後から来る親友イルゼも一緒に雇って貰いたい、ずっと一緒に居ると約束したのだから、というものでした。

　物語は、クリステルが主人夫婦へ自分の過去を語る流れで始まります。

　何故イルゼをそこまで思うのか？明るく空想力豊かな赤毛のアンと、常識派で大人しいダイアナの、人柄を入れ替えたようなキャラクターと申しますか。

　クリステルは向こうっ気が強くて現実的、水の精のような、たおやかなイルゼが空想派という組み合わせです。

　叔父が経営するポガーの水車場へ疎開が決まった子供時代のクリステル。泣いて拒み、叔父宅へ着いたその日に夜逃げを企てます。

　後には、悪戯をして自分だけ罪を着せられたと勘違いした時も、脱走を図っています。

　その度に、親族総出で夜中に捜索させられる叔父達に同情。子供のする事ですが、物資不足の折に引き受けてやった姪っ子が、感謝するどころか被害者面で僻まれてはやり切れなかったろうな、と。

　精神世界を大切にするイルゼと友達になることで、クリステルの心も成長していきます。

　ドイツ人、第二次大戦ときても、ナチスの暴虐に関する記述が少ない所にちょっとオヤ？という感も有りますが、書きたくなかったんだろうなあ、と推察。あくまで美しい友情に心を置いてお読み下さい。

　状態は、上記★書きと画像よりご判断下さい。

古書にご理解のある方との、嬉しいご縁を心よりお待ち致しております。