1969年。#ウィリアム・ジェームズ。　#岩波文庫　

岩波書店から出版された心理学の下巻。とくにパラフィン紙は経年劣化で茶褐色になっています(写真参照)。

- タイトル: 心理学
- 出版社: #岩波書店
- 巻数: 下巻
- 状態: 経年劣化あり

　本はヤケ、シミ汚れ、経年劣化が見られます(写真参照)。あくまで主観ですが、年数の割には全体的に比較的状態が保たれているようにも感じます。

中古本だということを理解した上で購入してほしい。

※ アマゾン、大西信行さんのレビュー参照。　『第24章の「情動」の章』は必読！

下巻は第14章「概念」、第15章「弁明」、第16章「連合」、第17章「時間の感」、第18章「記憶」、第19章「想像」、第20章「知覚」、第21章「空間の知覚」、第22章「推理」、第23章「意識と運動」、第24章「情動」、第25章「本能」、第26章「意志」、第27章「心理学と哲学」とあるが、第14章、第18章、第20章、第21章、そして特に第24章の「情動」の章は必読！

「ある特定の知覚は、情動あるいは情動的観念を喚起するのに先だって、確かに一種の直接的な身体的影響によって広範囲にわたる身体的結果を生じる」と述べるが、要は「われわれは泣くから悲しい。殴るから怒る。震えるから恐ろしい、ということであって、悲しいから泣き、怒るから殴り、恐ろしいから震えるのではないというのである」

これは現代でユダヤ系の人々が「行動経済学」称した心理学で述べたことより、150年も早く論じている慧眼である。意識や理性にこだわりすぎて、20世紀以降、心理学を形骸化させた人々は、ウィリアム・ジェームスからやり直した方が良い。

　そこには驚くべき慧眼が数多く埋もれている。ウィリアム・ジェームスと親交のあった、チャールズ・サンダース・パースこそ、昨今ようやく陽の目を見る様になったが、心理学者としてのウィリアム・ジェームスはまだまだだ。

ところで、科学哲学者のマイケル・ポランニーは、ウィリアム・ジェームスのこの本の詳細版「心理学原理」をしっかり読んでいる様で、批判的に引用もしている（参照「知と存在　言語的世界を超えて」、「自由の論理」）。こんなことは日本の学者は普通に気づくまい（笑）。