自宅蔵書ですのでそれなりに経年劣化しており少し日焼けがありますが、読むのには差し支えありません。ご了承いただけるかた宜しくお願い致します。

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「ストロベリーナイト」シリーズの２作品をまとめて提供します。玲子は２９歳で長身美貌ながら既に警部補で捜査一課の班長を任される切れ者刑事ですが、その操作方法は推理と勘に頼ることが多く、やや早とちりの感も。



ソウルケイジ

　事件は左手首のみが発見されることに端を発します。そして近隣の工務店のガレージが血の海になっており、この手首は工務店の店主・高岡のものと判明します。姫川らは死体と、犯人捜査を始めるのです。

先ず登場するのが高岡が、弟子として面倒を見ていた三島耕介。次に登場するのが耕介の恋人である中川美智子です。２人は借金を抱えた父親が作業中墜落死をしたという共通の過去がありました。２人の聴取をそれぞれ行った日下と姫川は、彼らが何かを恐れ隠していると感じとり、背後にある悪徳土建会社と、保険金詐欺、そしてその背後にある暴力団員の存在をあぶりだします。

更には殺されたと思われていた高岡は実は戸籍すり替えで、そもそも別な人物が成り代わっていたことも判明して捜査は混乱を極めるのでした。

本作のテーマはは「父性愛」。悲しい結末が待っていますが読後感は悪くありません。



シンメトリー

７編の短編集です。いずれも姫川が殺人犯を見つけ出し、または自白や逮捕に導くという活躍を描いていますが、犯人側にも同情すべき点も多々あって…この流れはソウルケイジと似ていますし、このお涙頂戴の浪花節が本シリーズの根底を流れている魅力であると分析します。

①東京：玲子が25歳で若手の頃の話

②過ぎた正義：正義感がありすぎる元警官が未成年の殺人者にとった手は

③右では殴らない：連続して起きた薬物接種後の変死体と彼らに関わった女子高生の話。

④シンメトリー：自分が左右対称でないために、あえてシンメトリーに執着する犯人。

⑤左だけ見た場合：超能力者による殺人？

⑥悪しき実：首つり死体は他殺か自殺か？行方不明になった同棲相手との辛い身の上話です。

⑦手紙：玲子が今泉の目にとまるきっかけになった殺人事件の話。