このCDの目玉は、死の舞踏のリストによるピアノ独奏編曲版をさらに演奏者のOzan Marshが再編曲した演奏でしょう。曲の味付けもかなり個性的で冒頭部分など暗い地の底から響く呪詛のようです。そのあとも随所に音を加えまくり、原曲よりは数段弾きにくい仕上がりになっています。かなり頑張りましたね。

　ピアノ協奏曲第1番は1854年版と明記されています。Wikipediaによれば第１協奏曲は1835年に初稿が完成し、その後1839年、1853年、1856年に改訂したとあります。このCDの1854年版というのはおそらく1853年のものではないかと思いますが、そのあたりはよくわかりません。少なくとも第1楽章冒頭のピアノ独奏部分が普段聴くものとは違っていますし、第3楽章手前のところに最終版ではカットされている1分ちょいのパートもあるので別バージョンではあるようですね。

　このCDは日米英のAmazonにはなく、ebayに6730円の出品があるのみです。わりとレアな盤かと思います。