内容紹介
本書の「プロローグ」をご紹介いたします! ★「まさかの時代」を生きている私たち 2019年末、中国の武漢で新型のコロナウイルスが発生した事実が報道されたとき、いったい誰がその後の世界的混を想像できたでしょうか。 それは、多くの人にとって、「まさか、こんなことが起こるはずがない」ことだったのではないでしょうか。 新型コロナは、それまでのコロナウイルスの常識を超えて、瞬く間に世界中に拡散。約550万人(2022年1月現在)の人命が失われただけではなく、巨大な経済的損失をもたらし、さらには各国で人々の生活行動を激変させました。 私たちが生きているのは「まさかの時代」──。 「この時代に、まさかこんなことが……」と思うことが現実になってしまう。何が起こるかわからない、何が起こっても不思議ではない、予測不能の時代なのです。 あなた自身の現実はいかがでしょうか。日常生活も、仕事も人生も、この2年間で大きく様変わりしてしまったという人は少なくありません。 しかし、このような「まさか」の現実は、実はコロナ禍だけではありません。 21世紀に入ってからだけでも、アメリカ同時多発テロ、リーマンショック、東日本大震災、福島原発事故、北朝鮮の核問題。さらに、ロシアによるクリミア侵攻、英国のEU離脱、香港の民主化弾圧、世界各地の豪雨災害など、枚挙に暇がありません。 これらの出来事はみな、人間の予測を超えて世界に「まさか」の打撃を与えました。 そうした出来事や変化は、必ずしも大事件として起こるとは限りません。 身近な例で言えば、今あなたが手にしているスマホ(スマートフォン)もうです。 あなたは、スマホがない生活を想像できるでしょうか。いつの間にか、自分の一部のようになっているのではないでしょうか。仕事のメール、プライベートのコミュニケーション、SNS、写真の撮影、保管、買物、予約、調べものといった生活に必要な多くのことが、スマホなしには成立しない人も少なくはないでしょう。 パーソナルコンピュータが黎明期を迎えたのが1970年代。コンピュータのコの字も知らず、固定電話や公衆電話しか手にしていなかった私たちが、わずか十数年のうちにワープロを覚え、携帯電話を使い始め、コンピュータが仕事になくてはならなくなり、インターネットで世界中とつながることが当たり前、そしてスマホが分身のようになった──