茜色（あかねいろ）に紫紺を加えて黒紫みを持たせた黒緋（くろあけ）の地に黄褐色と白糸で淡い土器色（かわらけいろ）の橘の実と青緑色の枝葉を織り込んだ銘仙の着物です。



他の柄に矢羽根柄を置き、土器色の矢羽根と羽根の真ん中を通るシャフトの袖摺節（そですりぶし）や矢筈（やはず）を黒味を帯びた黄色の鼈甲色（べっこういろ）で織り成しています。



色目はネットの「伝統色のいろは」を参照していますが、完全ではありません。



銘仙の着物は大正から昭和初期にかけて大流行したそうです。

昭和の５５年頃にはこの銘仙の時代は過ぎ、着物は他の着物に代わり、銘仙は京都室町の呉服卸店には置いていなかったようです。



銘仙は高級呉服に不向きな太めの屑糸を使って織られたようで、ヨコ糸で柄を出す大島のヨコソのような織り（写真９，⒑枚目、USBマイクロスコープ顕微鏡で拡大して写しています）になり、伊勢崎や秩父方面で織られたのが最初のようです。



大胆な色遣いや柄行きが特徴の織物です。古いものですが斬新さもあり、昨今とても人気があるようです。



胴裏は白の羽二重、八掛は表地と同色系　(少し明るい）の薄い一越の様なちりめんの無地を使用しています。



寸法（単位㎝）

身丈（背）148　裄64　袖巾32　袖丈49　後巾30　前巾25　　バチ衿



身長148cmくらいの方にお勧めですが、背の高い方は身丈の短い着物をオハショリを作らない対丈でお召しになられる方も多いようです。



対丈の着方は邪道ではありませんし、対丈の着方はユーチューブで教えてくれていますよ。



また、裾をあげて、洋服風のスタイルで靴と合わせてお召しになられる方もいらっしゃいます。



胴裏の右わき腹にキズ。（写真6，7枚目）

衿の下の背筋の左側に少しキズ。（写真6，8枚目）

左袖付け辺りに汚れがあります。（写真6，8枚目）



シミ汚れ等は出来る限りチェックしておりますが、見落としのある場合もございます。ご理解のほどお願いいたします。



デジカメの画像です。モニターによって色の違いが出ることがありますので、ご了承ください。



撮影に使用しました半幅帯は今回の出品物ではありません。