☗実用普及品としては珍しい半世紀以上前のヴィンテージ品【無銘の黒彫将棋駒】余り歩1枚あり41枚、桐の簡易駒箱入り完品です。
駒箱の裏には「S45.12.」と購入年月が書かれているので1970年以前の作で、時期的におそらく天童にて製作されたものです。

☗現代では機械彫が95%以上を占め、最高級品でも下彫りに機械を使うことが一般的ですが、本品は実用普及品ながら最初から仕上げまで駒師の手でのみ細工されたものなので、文字がどれも微妙に異なっているのが特徴です。
しかも最も略字化された黒彫書体で完全な手彫りはもうアンティークかヴィンテージにしかありません。
本品は名のある駒師によるものではなかったでしょうが、その彫りには現代作品にはない素朴な力強さを一刻一刻感じさせてくれます。

☗駒木地も古来の伝統技法ナタギリによる切り出しなので、無機質な機械切削にはない野趣あふれる駒形となっています。
駒材はおそらく楓ですが、黄楊にはない朴訥とした風合いがあります。

☗有名作家の手による最高級品と異なり、歴史的に大事に保管されることがなかった実用普及品が比較的良好な状態で現存しているケースはあまり多くありません。
他で出品されている実用普及品と比較してもらうとよくわかりますが、コンディションや彫文字の美しさなどはとても素晴らしく、かなりレアな逸品です。特に歩兵の全て微妙に異なる彫りながらも均整のとれた字形を見てください。

☖対局用としても昭和レトロのコレクションにも最適。
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