2002年発行 全144ページ



状態：中古・概ね良好ですが

最後の画像の赤丸箇所参照ください、

背の上部に小さい劣化あり



■本書序文■

自然がつくる竹の美

千利休は生涯に三十六点の、一重切、二重切、尺八など花入を制作したといわれる。

加飾された花入、二重切の登亀蒔絵花入、一重切の音曲蒔絵花入、

一重切で表皮に漆塗りを施した菊桐蒔絵花入などがある。



また、石割れの花入「園城寺」や尺八の枯れ寸前の侘び竹にみられるように、

自然界がつくりだし竹の美しさを茶道具に用いたことが、利休の心眼なのである。



このたび、茶道具をとおして、竹の美しさ、自然がつくりだした芸術を管長様のお話を聞きながら、

その竹にふれ、竹を通して先人達にふれ合う機会を得た。



総合芸術である茶道。

そのなかで竹の占める割合は大変大きい。

用具としての竹や、庭や建物などの竹美術工芸品の竹など、あらゆる竹を区分けして、

茶道の文化を広げた利休の世界を通し、広く一般の人々にわかりやすい解説をし、

ご理解いただけるように一冊にまとめようと思い立ったのである。



竹と共に歩む人生で、竹に教えられ、竹を育てて、竹を良い友として、

人生の訓としてさらに邁進する所存である。