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253-260年 ウァレリアヌス1世
アントニニアヌス硬貨 （ガリエヌス背面図、銀メッキ）
発行時期: 253年〜260年
発行国: ローマ帝国
材質: 銅に銀メッキ
重量: 約3〜4g
直径: 約21〜23mm

アントニニアヌス（ラテン語: antoninianus）は、ローマ帝国期の硬貨の一種で、2デナリウス相当の価値があるとされていた。当初は銀貨だったが改鋳と共に青銅成分が徐々に増えていった。最初に導入したのはカラカラ帝で、215年のことである。デナリウスより若干大きい銀貨で、表面に描かれた皇帝が放射状の冠を被っていることで2倍の価値があることを示していた。

このアントニニアヌス硬貨は、253年から260年の間にローマ帝国で発行され、皇帝ウァレリアヌス1世と彼の共同皇帝である息子ガリエヌスを記念した貴重な銀メッキ硬貨です。ウァレリアヌス1世は、ローマ帝国の混乱期「軍人皇帝時代」に即位した皇帝で、その治世は異民族の侵入や内乱に揺れた時代でもありました。

硬貨の表面には、ウァレリアヌス1世の精細な肖像が描かれており、彼の威厳と力強さを象徴しています。裏面には、共同皇帝であるガリエヌスの図像が刻まれており、当時のローマ帝国における親子統治の関係を反映しています。ガリエヌスはのちに単独で帝国を統治した重要な人物でもあります。

ウァレリアヌス1世の治世は、ペルシア帝国との戦争や内乱に直面しており、彼自身はペルシア王シャープール1世に捕らえられ、その後亡くなったことでも有名です。ガリエヌスは父が捕らえられた後も西方の領土を統治し続けました。この硬貨は、ローマ帝国の分裂と動乱を象徴する時代の一部を反映しています。

約1,700年前に鋳造されたため、自然な摩耗や変色が見られますが、肖像や銘文の細部は依然として鮮明です。銀メッキの一部が残っており、当時の硬貨の姿をよく伝えています。

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