昭和56年　91ページ

町づくりの大きな目標の一つに、現代の部市における生活環境をより一層充少したものにす ることがある。この生活環境のなかで、歴史的環境の古めの位置は大きく、今日では都市の 力や個性を保障する重要な要素として認めされ、これまで各地で伝統的町並や城ド寺院靴を はじめとする歴史的遺産を、共有の財産として将来にわたる町づくりの核とすべく保存および 活用の両面からの見直しがなされ、一部でそのための施策が講じられるようになった。

当研究所においても、多年にわたり歴史的環境をめぐるさまざまな調査研究を重点的に進め てきており、その成果を幾多の報告書にまとめの公表してきた。

本書は、昭和54.55年度の両年にわたり大和郡山市教育委員会の依を受け、当研究所が行 なった城下町大和郡山の都市空間構造の分析をはじめとする文化財調査に関する報告書である。

御承知のように、大和郡山は天正年間に形成された大和における随一の城下町であり、今日 まで都市として発展を続けてきた歴史と文化遺産に恵まれた都市である。今回の調査でも明ら かなように、市の中心地区は近世城下町の都市基盤の上に継承されており、その遺存度は極めの て高い。したがって、この歴史的環境を守りながら町の将来の発展につながる町づくりが期待 されるのであるが、本書が大和郡山市の将来計画のためのの基礎資料として活用されるとともに、 今後の歴史環境の保存と活用に関する調査研究の進展に役立つことを願ってやまない。

この調査は、環境事業計画研究所と共同で行なったが、特に大和郡山市教育委員会や柳沢文 庫保存会の協力をいただき、また調査地区のの住民をはじめ多くの方々から資料の提供や牧い調 査協力をいただいた。ここに心からお礼を申し上げる次第である。 昭和56年3月
奈良国立文化財研究所長
坪 井 清尼

中古品ですので傷・黄ばみ・破れ・折れ等経年の汚れはあります。表紙小傷、小汚れ。背表紙下部5cm程度破れ。ページ小黄ばみ。
もちろん読む分には問題ありません。42601新

なお細部に至るまではチェックしきれない場合がありますので、書き込み・線引き・記名・蔵書印・値札等ある場合があります。ご理解の上、ご購入下さい。