平成9年　62P

ご挨拶
私たちと日本文化になじみの深い仏教を始めたお釈迦様。そのお釈迦様が亡くなられたのは、西暦 紀元前四八○年、または、三八六年のことといわれています。ところで、その教えの内容がだんだん 変わってしまい、ついには滅んでしまうという考え方がありました。そして、五十六億七千万年という、 気の遠くなるほどの未来に弥勒様がこの世に現れて、仏教を復興するのだというのです。 その復興に合わせてお経を残そうとしてつくられたのが、今回ご紹介する「経塚」という遺跡です。 「誰が始めたのかはよくわからない経塚供養ですが、平安時代の終わりごろに、皆さんがよくご存知 の「藤原道長」が行ったことによって爆発的なブームを呼びました。その後、時代ごとに経塚を造る 場所や方法・供養する人々を変えながら現代へと伝えられてきました。こうした点から、歴史を振り 返ってみますと、経塚とそれに続く納経供養というものは、政治家・藤原道長の文化面での遺産とも いえるかと思います。

今回の企画展ではこうした考え方のもとに、平安時代から現代までの経塚・納経資料を、それぞれ の時代背景を追いながら展示してみました。資料からうかがい知れる人間模様の中に、私たちの生き る現代とこれからについて、何かお役にたてるものを、見いだしていただければ幸いです。

この企画展では構想の段階から、たくさんの方々のお世話になってきました。そして国宝や重要文 化財を含む大切な遺宝を、数多くお借りすることができました。最後になりましたが、ご援助くださ いましたかたがたに心から感謝申し上げ、ご挨拶といたします。 では、皆様どうぞごゆっくりご観覧ください。

平成九年 四月二十六日
群馬鼎立?史博物館

中古品ですので傷・黄ばみ・破れ・折れ等経年の汚れはあります。表紙小傷、小汚れ。ページ小黄ばみ。1421

なお細部に至るまではチェックしきれない場合がありますので、書き込み・線引き・記名・蔵書印・値札等ある場合があります。ご理解の上、ご購入下さい。