年度不明 厚さ約0.4cm

ボストン美術館は、驚くほど早い時期からジャワのバティックの収集を始めました。1893年、シカゴ万国博覧会を見にシカゴを訪れた際、ボストン美術館の初代館長チャールズ・G・ローリングと、美術品収集家で館の理事およびハーバード大学教授のデンマン・W・ロスは、「ジャワ村」を訪れ、5枚のバティックを購入しました（図1）。その直後、これらのバティックは美術館のコレクションに加えられましたが、1911年まで同種の収蔵品はこれら5枚だけでした。その年、デンマン・ロスが最近のインドネシア旅行で取得した66枚のバティックを寄贈したことで、収蔵品が拡充されました。

次に重要な進展があったのは1921年のことで、当時美術館のインド部門の管理者だったアナンダ・K・クマラスワミ博士が、マリアンヌ・ブリマー基金を利用して約200点のバティックを購入しました。これらのバティックは、スラカルタ（現在のソロ）の現スルタンの兄であるジャワの王子アリオ・クスモディニングラットの個人コレクションからのものでした。1921年以降、いくつかの寄贈者の寛大な協力を通じてコレクションはさらに拡大し、現在では約300点が収蔵されています。本書では、その中から代表的なサンプルを紹介しています。これらのバティックはすべて19世紀または20世紀に制作されたものと考えられています。バティックの技術が何世紀にもわたってジャワで行われてきたと推測されるものの、現存する作品が1800年以前のものである可能性は低いとされています。

バティックは、ろうけつ染めの技術であり、布地に何度も染色を重ねることで模様を作ります。染色したくない部分には保護用の「抵抗性」のあるろうを塗布して覆い、染める部分だけを露出させます。この手間のかかるバティックの工程は、布地の下地を準備することから始まります。下地の準備には細心の注意が必要で、最初のろう塗布が行われる前に布地を適切に処理する必要があります。

最も一般的に使用される素材は綿であり、1800年頃まではインドから輸入され、1815年以降はイギリスから、さらに最近では日本から輸入されるようになりました。綿はまず煮沸・洗浄され、のりを取り除き、必要に応じて媒染剤で処理されます。その後、ろうが繊維に吸収されないように米粉でんぷんで糊付けされ、木槌で叩いて布地を滑らかにします。この時点で、綿はろう塗布と染色の準備が整います。この工程のさまざまな段階は、図1の7つのサンプルで示されています。

中古品ですので傷・黄ばみ・破れ・折れ等経年の汚れはあります.。表紙傷、小汚れ。ページ小黄ばみ。軽度の割れあり。全体的にやや経年感あり。ご理解の上、ご購入ください。 もちろん読む分には問題ありません。

なお細部に至るまではチェックしきれない場合がありますので、書き込み・線引き・記名・蔵書印・値札等ある場合があります。ご理解の上、ご購入下さい。