昭和45年　208p

はじめに
茶の湯の道具は、流祖千利休以来、歴代の宗匠はじめ、諸流派の好みによっていろいろと考案 され、棚物だけでもその数は、優に数百を数える。この他にも炭道具や水屋道具など、そのすべ てを知悉することは、なかなか容易なことではない。専門の茶道具商の方々でも至難のことであ
このため、古来より寸法を控え、その図を写した寸法書が数多く発行され、その一翼を荷なっ てきた。昭和になってからでも、岡部香塢氏の「点茶宝鑑」、広瀬拙斎氏の「寸法録」、末宗広氏の 「茶道要録」などが耳に新しい。しかしこれらの書も版が絶えて久しい。また古くは「南方録」 をはじめ、山田宗徧の手になる「茶道具図絵」、天保八年(一八三七)に正編が天保十年(一八 三九)に続編が刊行された一楽斎蔵板になる 「茶式花月集」上下各二冊、また、嘉永四年(一八 五一)にその初版が出た湖月老隠の著になる 「茶式湖月抄」 六冊本、もっとも明治十六年(一八 八三)版は全十冊などを数えることができる。このほかにも、編者が所蔵せる「石州流道具寸法 書」、「石州流大工書」 上・下、「利休細工寸法秘巻」、「小河原仙流録道具寸法書」またの名を「仙 流翁手扣寸法書」と題する写本類など、その数は決して少なくない。
本書は、これらの諸本を合し、写真または図版を挿入して、所要の寸法について記載したも


外箱小傷、小汚れ、やややけ。もちろん読む分には問題ありません。

なお細部に至るまではチェックしきれない場合がありますので、書き込み・線引き・記名・蔵書印・値札等ある場合があります。ご理解の上、ご購入下さい。