2000年　52P

ごあいさつ

佐久間藤太郎は1900(明治33)年に益子の元佐久間福次郎と母とみ子の長男として生まれました。1924(大正13)年、濱田庄司が益子を訪ねると、快く自宅の工房に招いて共に作陶し、その陶芸や見識に触発されて、〇や擂鉢といったそれまでの益子焼から濱田に影響された新たな焼き物を作り始めました。最初は父親の理解を得られず、窯元の仕事が終えた夜に、自分の作りたい陶器を作ったと言われています。やがて幾つかの公募展で賞を得、東京にも民製品を扱う店が生まれて藤太郎の作品も順調に売れるようになると、周囲からも認められるようになりました。そして持ち前の寛容さから益子を訪れた富本憲吉、バーナードリーチ、河井寛次郎、棟方志功たち工芸関係者を快く迎えて交流するなかで、意欲的に彼らの芸術を学び、作域を広げようと努力を重ねました。富本やリーチの絵付、河井の打絵、辰砂などは藤太郎の陶芸に多大な影響を与えています。また藤太郎は作陶だけでなく、民藝協会栃木県支部の要職をつとめ、1954(昭和29)年の栃木県における日本民藝協会全国協議会を成功に導くために尽力するなど、濱田とともに民藝運動の礎として貢献しました。

今年、濱田と共に民藝益子を築いた陶芸家佐久間藤太郎の生誕100年を迎え、約70点の作品と資料によって、その作品の魅力と人物像を回願するものです。

本展の開催にあたりまして、格段のご理解を賜りました佐久間家、貴重な作品をご出品いただきました所蔵家・美術館、ご協力いただきまし た関係機関・団体各位に対し、心から感謝とお礼を申し上げます。

2000年4月
益子町文化のまちづくり実行委員会
会長 平野良和



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もちろん読む分には問題ありません。26731ｓ

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