1987年 366ｐ

一つの評価
徳川末期及び明治初期に、中央及び地方の政府によって雇用された外国人顧間の重要性は、 日本の近代化・発展について研究する人たちによって大いに認められているところである。 ハヤトイ事象」の定義とヤトイ活動に関する体系的分析は、最近20年の間に、日本内外の一群 の専心的な学者たちの協力的努力によって,大いにその価値が高められてきた。

アメリカ合衆国においては、アーダスパークス博士の努力によりラトガーズ大学にウィリ アム・グリフィス文書保管所が開設された。これはしばしば「日本の欧化」と呼ばれる事象の 中での、西洋人と日本人の個々人の相互作用の解明を可能とする歴史資料をもつ宝庫である。 ウィリアム・グリフィスは多くの事例のほんの一つに過ぎないが,日本における彼の雇用の本 質及び彼が残した文書資料の豊富さこそは,多くの学者たちを刺激してグリフィス及び他の顧 問達の研究を取り上げさせるほどの素晴らしいものである。

幸いなことに,日本側でも同時に,京阪地域の学者たちが数年にわたり日本近代化研究のセ ミナーを継続的に開催してきた。その主なオーガナイザーは坂田吉雄,本山幸彦,梅溪昇教授 らであった。梅溪教授がヤトイに関して1971年に刊行した英語版の著作は,日本側から見たこ の分野の定義に役立っている。これに加えなければならないのはヘーゼル・ジョーンズの著作 であり,彼女はミシガン大学でヤトイに関する博士論文を書いた。
この努力への第三の要素は福井との関連である。福井はグリフィス最初の雇用の地であり, 日本における彼の初期の生活の背景を提供し,彼の体験に地方の要素を加えている。徳川と明 治政府の外交関係の権威である東京大学の金井圓教授は,地方大名のもとでの福井に関する包 括的な概観を提供している。

これら全ての要素が1967年ラトガーズ大学でアーダス・バークス博士によって組織された研 究集会において組み合わされた。この集会の成果は1985年に, The Modernizers: Overseas Students, Foreign Employees and Meiji Japan として刊行された。この本はそこに盛り込 まれている情報のためにだけでなく,その本が確立した日本の学者と外国の学者間の協同研究


表紙小傷、小汚れ、やけ。帯小破れ。もちろん読む分には問題ありません。41301s

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