年度不明　厚さ約3mm　

第11回冬季オリンピック札幌大会は、 1972年2月3日,真駒内スピードスケー ト競技場で開会,選手村のある真駒内を 中心に14の競技場で35カ国からやってき た1128人の選手が11日間,6競技35種目に全力をつくしてたたかった。

アジアの地では初めての冬のオリンピック、北海道の白い大地の上に世界の若者が青春をかけてくりひろげた11日間の “雪と氷の祭典”のすべてをとらえたのが、この映画である。

監督は、「無頼漢」「心中天網島」「沈 黙」等、鮮烈な映像感覚で世界の映画界 にその名を高めた篠田正浩。脚本には、 山田信夫、虫明亜呂無、小笠原基生、富岡多恵子と一流の執筆陣が加わって、数字、記録の世界に、人間の目、詩の世界をブラスした。音楽は北海道出身の佐藤勝。

「運動の美しさ、スポーツにおける不安と恍惚を描く。どう間違ってもただの記録情報映画にはしない」という監督の言葉とうり、そこには,客観的な競技部録を超えた人間のドラマがある。

撮影のためだけのスタッフ(編集・音楽関係は含めない)275名、使用カメラ52台、使用レンズ 71本、467,996フィート (142,645m)、映写時間に換算すると87時間分に当たる膨大なフィルム量。各種の特殊撮影装置等、日本における最高の 技術を駆使した大がかりな技術陣がフルに動き、あらゆるアングルから、選手の目の動き、手のふるえ,吐く呼吸まで的 確にとらえる。52台のカメラが追う試合前の表情、いやそれより過去にさかのぼり、ただ一瞬のために賭けてきたさまざまな涙、喜び、試合後の栄光、孤独、コーチ達の表情,選手村の日常生活ー。 冬季オリンピック史上、もっとも美しいといわれた雪と氷の自然の変化の全てと。 その上に投げだされた闘う若者・・・・・・。

色彩の洪水・華麗なファッション、日本中を熱狂させた笠谷、かわいらしさで人気を呼んだ銀盤の妖精ジャネット・リン。

恵庭岳の滑降競技では、プレジャンプの凸地直下の雪の中にカメラと撮影者を埋めこんで恐怖の一瞬を克明に追うなど、随所にちりばめられた大胆な試みの生々しい迫力。

フランシス・レイのリリックな音楽と ともに記録映画に新しい境地を開いたと 評判の高かった,クロード・ルルーシュ 監督の「白い恋人たち」(第10回冬季オ リンピック・グルノーブル大会)同様, “人間の精神と肉体が自然の極限に向っ て挑戦していく姿をあらゆる映画的技法 と作家的イマジネーションを駆使して映像に定着させることに成功した作品”としてこの「札幌オリンピック」は多くの話題を呼ぶことだろう。

製作費3億5千万円をかけた、超大作である。 上映時間2時間40分。カラー作品。

中古品ですので傷・黄ばみ・破れ・折れ等経年の汚れはあります。表紙小傷、小汚れ。ページ小黄ばみ。13431

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