茶花入門
田中仙翁
大型本､函入り布張り本です
昭和54年(1979年)第二刷発行
当時の定価 4500円

函に入って保管されていたため､布張り本本体は特に目立つ汚れ､折れなどなくきれいです。
函にはスレあります。本体側面は経年のヤケ､黄ばみなど少しですがあります。

はじめに より抜粋
ー茶の点前の稽古を始める前に、まず花を入れた。花がうまく入るまでは点前を見てもらえないので、あれか、これかと迷いながら、とにかく花入れに花を収める。花をいじり回して、自分の思うように入れると、花がもだえているとか、生け花になったと叱られたものである。祖父は花の良し悪しを問わなかった。どんな素材も祖父の手にかかると、花の持ち味を生かして所を得たように花入れに収まった。仏師は木の中に仏の像を見てこれを掘り出すと聞くが、ちょうどそれと同じように私には思えた。
どうしたらそのように自由に入れられるようになるのでしょうと、私は祖父に聞いたことがある。すると、花の性質をよく知ることと､さらりとなることだと教えてくれた。それ以降､私は花の性質を知るために、庭に色の花を植えたり、山にも務めて出向いた。花の名や生態を調べたりしたが、さらりとなるのは難しいものであるー

撮影場所 東京四谷の自宅内の三徳庵､知水亭､槐南軒書院､教場､名古屋の八勝館