2006年148ページ

始めに
ソ連を始めとする鉄の団結を誇った社会主義国家が崩壊してか らもう十数年が過ぎた。それまで抑えられていた民の不満が爆発 し東欧諸国の権力者だった支配者の銅像が次々と破壊され倒され てゆく光景がテレビに繰り返し放映された。
今世紀に入った二〇〇三年春、アメリカがイラクに攻撃を開始 しバグダッドを占領した。独裁者フセインの巨大像が米軍の力も 借りながら民衆の手で引き倒された。 この場面もまた繰り返し放 映された。後になってあれは米軍のやらせ演出だったのではな かったか、住民蜂起にしては広場に集まった民衆の数も少なく民 の顔に熱気がなかったといった批判もなされたが。
銅像とはいったい何なのだろうと関心を持ちはじめたときに今 度は台座に残った戦争の傷跡に接し、像に選ばれた人々とその盛 衰など日本での銅像の変遷に興味を持つようになりあちこち訪ね て回るようになった。
私には子供時代の銅像の記憶は全くない。故郷の農村には銅像 といったものは無かった。 郵便葉書の印面から楠木正成像を知識 として知っている程度だった。
だから銅像を通じての偉人伝教育や忠君愛国教育は受けた記憶

表紙小傷程度で特に目立った傷や汚れはありません。

なお細部に至るまではチェックしきれない場合がありますので、書き込み・線引き・記名・蔵書印・値札等ある場合があります。ご理解の上、ご購入下さい。