今回は、ジーンズの歴史の中でも特に貴重な1本、「501 1966年モデル」についてご紹介します。
このモデルは、1966年から1971年というほんの短い期間にだけ存在した、バックポケットのバータックと「ビッグＥ（Big E）」レッドタブを併せ持つ特別なスタイルを復刻したものです。

この時期の501は、リーバイスの長い歴史の中でも大きな転換期にありました。
1966年、リーバイスは品質の高さが広く認知されたことを受け、それまで「501XX」と呼ばれていたモデルから「XX」の表記を外し、新たに「501(R)」として生まれ変わります。
ただし、最初のうちは新旧の区別をつけるため、ペーパーパッチには「501」と「501XX」の両方が小さく併記されていました。
この「66モデル」は、まさにその過渡期を象徴する1本なんです。

特徴的なのは、バックポケットの隠しリベットが廃止され、代わりに糸によるバータック（カンヌキ止め）で補強された点です。
これは、当時リベットがデニムを突き破って家具を傷つけることが問題視され、その解決策として生まれた新たな仕様でした。
また、新しいフラッシャーには「1966」の年号が記載されており、これも「66モデル」の大きな特徴のひとつです。