2005年 142p

あいさつ
2005年夏、 ついに「モエレ沼公園」がグランドオープンを迎えました。 イサム・ノグチ (1904-88) が手がけた最後 にして最大の作品が没後17年を経て完成したのです。 ノグチ自身はもちろん、 その企画・造成に携わった関係者や ノグチ芸術愛好家の宿願叶ったこの年、 札幌芸術の森美術館、 東京都現代美術館で「イサム・ノグチ展」を開催い たします。
イサム・ノグチは、 石の彫刻、 あるいは照明や家具などのデザインがよく知られていますが、 「モエレ沼公園」に代 表されるように遊び場を主とした環境彫刻、ランドスケープデザインも数多く制作していました。 1933年にはすでに その作例が見られ、パブリック・アートに対する理念もこの頃に確立されていたと思われます。 彫刻とその周囲を取り 巻く環境、そしてそこに身を置く人間との関係性を視野に含めた総合的な彫刻芸術という壮大な理念―その結実が 「モエレ沼公園」であるといっても過言ではないでしょう。
本展覧会は、 「モエレ沼公園」のベースとなった数々の遊び場や遊具の習作に始まり、洗練された構成美を見せ る抽象作品、流麗な線と面で形作られたインターロックスカルプチャー、 量感溢れる石彫作品まで、 46点によってノグ チの造形世界をたどります。 なかでも、 高さ3.6メートル、重さ約17トンにも及ぶ巨大な作品 《エナジー・ヴォイド》 の幽 玄な姿は見る者を魅了してやみません。
最後に、本展覧会の実現に際し、 甚大なご協力をいただいたイサム・ノグチ財団・庭園美術館 (ニューヨーク)、財 団法人イサム・ノグチ日本財団、香川県文化会館、 モエレ沼公園、 またご助言、 ご協力くださった研究家、 関係者の皆 様、 そして、 ご後援、ご助成、 ご協賛、ご協力いただいた各企業、各関係機関に、心より感謝の意を表します。
主催者

表紙小傷程度で特に目立った傷や汚れはありません。

なお細部に至るまではチェックしきれない場合がありますので、書き込み・線引き・記名・蔵書印・値札等ある場合があります。
また複数冊ご購入いただいた場合同梱発送を予定しております。ご理解のほどよろしくお願いいたします。