ベートーヴェン

①ピアノ・ソナタ第1番 ヘ短調 作品2の1

②ピアノ・ソナタ第2番 イ長調 作品2の2

③ピアノ・ソナタ第3番 ハ長調 作品2の3



ヴィルヘルム・バックハウス (ピアノ)

録音:1963年10月、1968年3月、1969年4月ジュネーヴ



バックハウスの真価が最高度に発揮される場がベートーヴェン。ここに示された堅固で揺るぎない構成力、重厚で重みのある響き、強靭な集中力の持続、彫りが深く格調の高い造形的美観などは、衰えをみせる前の彼ならではの持ち味であり、それは、このピアニストの本領を鮮やかに伝えている。彼が読み取ったベートーヴェンの音楽からは、装飾的要素や遊びやゆとりの要素が一切無縁なものとして切り捨てられている。その表現は威厳のある風格を備えると同時に、優しさを感じさせ、特にベートーヴェンには隙のない技巧に加えて、独特の味わいがある。巧そうに弾いたり、媚びたり、小才を利かせたりするところがいっさいなく、ピアニズムを感じさせずに、作曲者の魂が深く重厚に、立体的に、交響的に迫ってくる。



「お休みの日は何をされていますか？」との質問に「ピアノを弾いています。」と答えたバックハウス、それほどピアノを弾くことに命をかけ、ベートーヴェンを演奏することに人生を捧げてきたことの証がこの演奏です。ぶっきらぼうに弾いているように見えてベートーヴェンの核心を突く演奏、神経質なところが少しもなく、骨太で重厚なのに軽やか、しかし風格と雄大さを感じさせる摩訶不思議な演奏です。



作品2にまとめられたこの3曲のピアノソナタは、ベートーヴェンが25歳前後に作曲したものですが、習作の域を脱した成熟した音楽家としての姿を現しています。既に各曲がそれぞれ異なる強い個性により特徴づけられ、彼特有の広がりのある音楽性が明瞭に示されています。第2番のソナタは作品2の中でも優美で明朗な美しさが際立っており、ハイドンの様式を借用しながらも強弱の鋭い対比や転調の妙などに若い作曲者の創意が溢れています。「ハイドンやモーツァルトの領域を完全に凌駕している」と評価されています。私は第1番も第3番も大好きです。



国内盤【廃盤】帯無し、盤面傷無し 3



＊まとめ買い値引き致します(要事前コメント)

2枚購入→150円引き、3枚購入→300円引き

4枚購入→450円引き