バッハ

ゴールドベルク変奏曲 BWV.988



グレン・グールド (ピアノ)

録音：1981年



没後40年以上が経過しても、全く人気の衰えないグールドの代表盤です。グールドはこの曲の1955年録音盤でメジャーデビューしましたが、このCDはそれから26年後の最晩年(と言っても49歳)のデジタル再録音盤です。グールドの演奏が素晴らしいだけではなく、この曲もバッハの作品の中では最高峰に位置するものだと思います。アリアに始まり、最後にアリアに戻って終曲を迎える構成も人生そのものを表しているようです。まさに不滅の名盤、一生聴き続けるべき演奏です。これからクラシックを聴く方にも、これからグールドを聴き始める方にも、強力に推薦致します。2017年刊行の名曲名盤500では、ダントツの第1位に選定されています。不滅の名盤1000にももちろん選定されています。映画『羊たちの沈黙』で、レクター博士が逃走の直前、静かに聴いていたのがグールドのゴールドベルクです。グールドにはまった方は抜けられなくなるかもしれませんので、ご注意ください。(笑)



このCDとの出会いは、最高の出会いだと確信できます。このCDは心に響きます、ピアノの鍵盤から弾きだされる音一つ一つが心に流れ込み、強く温かな世界を作り上げ、うっすら聞こえる彼のハミングはピアノだけでは伝えきれない彼の想いを奏でる。聴いていて気付けば頬を涙が伝っていました、悲しくない、感動しているわけでもない、音に心が共鳴している感じ。聴いてみてください。



アリアで始まり30の変奏曲のあと、ふたたびアリアで締めくくる。アリアは誰もが一度は耳にした事がある、柔らかでゆったりとした美しいメロディーです。そのメロディーが次々と装飾され展開して行きます。生活雑音が聞こえない真夜中にこのCDをかけると、時が経つのも忘れ、ただひたすらに旋律を追う事に集中します。そして最後のアリアを聞く頃には、頭にこびりついて離れなかった、面倒な悩み事から開放され実に清清しい気分になります。一生聴き続ける癒しのアルバムとしてお薦めします。



国内盤、帯無し、盤面傷無し　12



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PT様