大東流合気柔術
岡本正剛著
１９８５年9月２０日初版
定価:税抜3800円
書籍サイズは横19cm縦26.5cm厚さ2cm

大東流合気柔術は合気を主に体系づけられた武術です。現在一般的に呼称されている「合気道」の根源であると言われています。
この流派の創始者等に関しては諸説紛々たるところですが大東流の名を最も世に知らしめたのは稀代の達人と謳われた武田惣角師（1860〜1943）の活躍によるところが大きいと考えます。そもそも大東流は会津藩の中で藩外不出の秘密武術として伝承された技です。大東流は武田惣角師によって広められるまでは側近者に限定して伝授されていました。
武田惣角師の門人の中から惣角師の許可によって資格を得られとされる師範の数人が大東流を継承したと言われています。
当書の著者である岡本正剛師は大正5年武田惣角師から教授代理を許可された堀川幸道に師事し師の遺志を継ぎ大東流合気柔術六方会を設立し技の錬磨と普及に努めています。

書籍の内容は
惣角、幸道と大東流合気柔術、合気柔術の基本、基本手法、合気手法、合気柔術の応用、手首掴み、胸取り、袖取り、肩取り、二点取り、首絞め、打手、短刀技、座取り、特殊取り、後技、多数取り、寝技、棒技、剣捌き、合気の原理技法、稽古の注意点、不滅の合気、あとがき。

徹底した秘密主義を貫く歴史の中で合気道の源流とも言われる大東流合気柔術の技法が公開されています。
謎に包まれていた合気の技、それは伝統的価値とともに、実用価の高い現代的意義を有し、本書は古武術技法書の決定版として無形文化財としての歴史的出版物であると紹介されています。

本書では写真を中心に技の解説をされていますが、微に入り細にわたる動作を追求するには現実に手を取らなければ伝えられない制約があります。
このため写真を補足し、技の理解を深める目的で各各の技の名称を便宜的に用いています。
ですから名称の中には大東流合気柔術の伝承に依拠しないものも含まれているとの説明があります。　
岡本宗師は合気の具現者であり、武術の歴史を変えたと評されています。

2015年１月　89歳で永眠されました。

39年前の書籍ですので経年の劣化はありますが比較的良いコンディションかと思います。破れや書き込みはありません。
合気道の源泉たる貴重な資料です。
ご理解いただける方にお願い致します。