宮川治平香斎は明治三十年(1897)先代善翁の子として生まれました。幼名を金吾と云います。同四十二年京都徒弟伝習所（伏見工業学校）の轆轤科に入所し卒業後は家業に入りました。大正四年(1915)ごろには北大路魯山人（福田大観のころ）が作陶の手ほどきを受けに陶房を訪れています。昭和五年(1930)帝展に初入選、芸術活動に入り同九年表千家流家元久田家十一代無適斎より「真葛焼」の箱書きを頂き、真葛香斎を名乗ります。表千家即中斎宗匠、裏千家鵬雲斎宗匠の好みものも制作し真葛焼の発展に尽くしました。昭和四十七年隠居、同六十二年九十一歳にて没す。（黒田和哉より）



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