パキスタンスカルドゥAshopi鉱山産の雪入りクリアDTポイントです。
スカルドゥは厳密にはスカルドゥの町で産出したものではなく、その周辺の山々から採れた水晶等の集積地です。そのためある程度一定の雰囲気のある水晶等だけでなく、様々な形状、色、雰囲気の水晶が有ります。そのためバラエティーに富んだ水晶が産出し、人気の産地となっています。
この水晶はスカルドゥらしいクリアな結晶で、中央下部に白い雪の様なモヤが入っています。このモヤは他の鉱物のインクルージョンではなく、細かい気泡または液体の内包物かと思われます。
水晶には殆どこの様なモヤが入っています。水晶の結晶成長時に不規則なバラツキがあり、その際に熱水や揮発成分が残留してモヤが出来るのではないかと考えます。熱水のケイ素分の濃淡や温度により水晶の成長に様々な影響を与えると思います。
コロンビア産のエメラルドでは、三相インクルージョンが産地的な特徴になっています。三相とは気体と液体がインクルージョンしている様相で、コロンビア産エメラルドでは二酸化炭素と塩化ナトリウム溶液とされています。
水晶にも三相インクルージョンは普通に見られますが、二酸化炭素と塩化ナトリウム溶液とは確認されていません。しかし、この気体と液体は水晶を育てた熱水由来の物には違いはありません。
雪入り以外でも、この個体は形状的な面白さがあり、ポイント両端の錐面も山脈の稜線の様なギザギザになっています。
スカルドゥはバラエティー豊かな水晶が産出し、ならではの個体かと思います。
Ashopi, Skardo District, Gilgit-Baltistan, Pakistan

72.9×26.6×19.0mm 39.85g

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