「九十八の旅物語」
俵万智 / 平地勲

2000年発行の本ですが、表紙中身共に傷や汚れなく美品です。
写真集のような質感の紙で所々に平地勲さんの美しい写真が織り交ぜられており、目でも楽しめます。
ハードカバーで元々ビニールのような加工がされているのでアルコールで消毒済みです。

即購入OKです！


内容紹介
98回の旅で出会った人々、モノ、美味、風景。同じ時間、同じところを旅して、俵が詠んだ短歌と平地の撮った写真の共演。1998年から2年にわたって『週刊朝日』に連載された「ちいさい旅みーつけた」を一冊にまとめる。

俵万智のエッセイ・短歌と、平地勲のカラーグラビアによる、小さな旅の旅日記である。
98年から2年間、週刊朝日に連載されたもので、粟国の豆腐屋からはじまり、然別湖では全館が氷のバーを楽しみ、秋田におばこを求め、京都では亡くなったほうき職人を語る。
琵琶湖の葦に環境問題を考え、人口の十分の一がブラジル人という大泉町を訪れ、安心院町に鏝絵（こてえ）を見たかと思えば、お遍路さん専用の宿を訪ね、川越にドーナッツをほおばり、ワインを求めてボルドーへと、その旅は観光名所を逸れて諸所に及ぶ。
ここには、それぞれの土地の中で日々の生活を大切に暮らしている人々との出会いがあり、自然や四季の美しさ、その土地でしか味わえない食がある。
すべてが平均化、商品化していくような都会とは異なった、手作りの伝統や郷愁を誘うさまざまな小景が、好奇心に満ちあふれた俵の視線と、平地のカメラアングルによって、美しく、懐かしく展開されている。
ページをめくりながら、散文、短歌、写真という3つの表現方法の違いを見ていくのも楽しい。
写真の人物の瞳は多くカメラを見つめて生き生きとしており、招き猫1つ、扇風機1台が寡黙にして饒舌にその場の雰囲気を伝える。
時間を一瞬に凝縮する写真と、会話を多く取り入れながらディテールを巧みにとらえる文章と、「変わらないことの豊かさあしびきの足羽山なる田楽食す」といった平明な歌とが立体的に立ち上げる旅の思い出を通して、読者は風土に蓄積されていく人間の時間の重さと豊かさを実感するに違いない。（内藤 明）

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単行本 大型本287p/21cm/A5判