パソコンにダビングして聞いていたため、１回のみの使用。

プラケースに、経年劣化の黄ばみ、また保管時の擦れがやや見られます。

日本盤。

帯、解説、綺麗な状態です。
また、盤面保護シートを貼っています。



「レヴューより」

1961年1月、ハンブルグでの録音。当時50代の、演奏家として脂が乗り切った時期のヴァルヒャによる、真摯にして質実剛健な力強いバッハ演奏。

大バッハが幼い息子の為の音楽教育の教材としてかいた曲集だが、ヴァルヒャはひたすら音楽とまっすぐに向かい合う。かといって決して教科書的な演奏ではなく、歌心にも不足していないのはさすがヴァルヒャ。

音質はやや古いが、くっきりとしてボリュームのある音である。



たくさんのCDが発売されており、知名度も高く、多くの人に知られた作品。それゆえに個性も出て、好みが大きく分かれるところです。私も、どれにするか迷いながら、数種のCDを購入し、聴き比べた中で、この演奏がもっとも素晴らしいと思いました。

この「ヴァルヒャ」の演奏は、的確なテンポ感や音の運び、繋がりが実に自然で、奇をてらったような所が少しもなく、威厳を感じさせる堂々とした風格の演奏。かと言って、冷淡という事もなく、聴き返しても飽きが来ない、まさに音楽の原点にあるような演奏だと思います。バッハは、本当にたくさんの名作を残してくれましたが、このようなスタイルの演奏が、一番心に伝わると改めて思います。一歩間違えば、「つまらない」で終わってしまう演奏とは一線を画する、まさに「平凡の非凡」。録音、音質も古さを感じさせず良好で、チェンバロの音も、大変魅力的です。大切にしたい一枚です。