エミールガレの軟質磁器の水差しです。



軟質磁器の器体に2匹の鳩が描かれています。





エミール・ガレの作品において、鳩のモチーフは特に象徴的な意味を持ち、彼のセラミックスやガラス作品にしばしば見られます。



ガレ自身は、花や果実ごとに特定の象徴的な意味があるとしており、自然界における植物や動物の形態を取り入れたデザインに強い意味を込めていました。



彼の初期のセラミック作品は、伝統的な花柄デザインの皿や花瓶が一般的でしたが、ガレのファイアンス、つまり釉薬をかけた陶器は、彼のガラス製品ほど技術的な品質や名声を得ることはありませんでしたが、同じくらいの想像力と珍しさを含んでいました。



器体に記されたフランス語の文章「Deux pigeons s'aimaient d'amour tendre」は、ジャン・ド・ラ・フォンテーヌによる有名な寓話「二羽の鳩（Les deux pigeons）」から取られたものです。



この寓話では、親友のようにお互いを愛し合う二羽の鳩が登場し、その一羽が冒険心から巣を離れますが、多くの困難に遭遇し、傷つき、結局安堵して巣に帰るという物語が描かれています。



鳩は伝統的に親密な結びつきの象徴であり、この寓話では、自然への愛、そして都市生活との対比が描かれています。



この文脈を踏まえ、ガレがこの文章を彼の作品に含めた意図は、親密な愛や結びつき、そして自然界との調和への彼の深い敬愛を表現していると考えられます。



そして、この水差しに描かれている鳩のペアは、この寓話の精神を具現化したものと言えるでしょう。



過去一度も出品されていない珍しい作品です。一点だけ入荷することが出来ました。



次回入荷は未定です。



ぜひこの機会に手にされてください！



サイズ：高さ約15.5cm



コンディション：口と底の部分に軟質磁器に致し方ないチップは見られます。それ以外は美品と言えるコンデションです。