今や映画スターの域を超えて、偉大なる格闘家としても伝説的存在になり、その人気は増すばかりのブルース・リー。そんな彼の映画3作品をDVD-BOXに収録。
『ドラゴン危機一発』は、B・リーが香港で初主演したクンフー映画の名作。製氷場で働くことになった若者が、麻薬からみの陰謀に立ち向かっていく。この作品で彼は香港映画界にその名をはせることになった。『死亡遊戯』は、B・リーがその撮影途中で死去したために、吹き替えを大挙起用したり、過去のフィルムをうまく編集しながら完成させたもの。本人が遺したクライマックスのアクション・シーンは圧巻だ。ジョン・バリーのダイナミックな音楽も、彼の勇姿を壮麗に彩る。監督は『燃えよドラゴン』のロバート・クローズ。そして『死亡の塔』は、『死亡遊戯』の大ヒットを受け、さらなるB・リー生前のフィルムをつなぎあわせて彼が殺されるまでの前半部ドラマを構成し、後半はその弟が復しゅうに乗り出すという風に、無理やりこしらえた感の強い作品だが、今となってはそういった事象もまた、彼の不滅の人気を強く印象づけることに貢献したように思える。映画そのものの出来云々を越えて、彼がそこに映っているだけでファンは満足する。アクションはもちろんのことだが、彼がそこに立ち、ふと笑顔を見せてくれるだけで嬉しい。ブルース・リーとはそういう意味でも真の大スターなのだ。もう二度と彼のような映画人は現れないだろう。