ベートーヴェン

ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 op.61



ダヴィッド・オイストラフ（ヴァイオリン）

指揮：アンドレ・クリュイタンス

フランス国立放送管弦楽団

アンドレ・クリュイタンス

録音：1958年（ステレオ）



名匠同士唯一の共演にして稀代の名演となった歴史的名盤です。豊麗で伸び伸びとしたオイストラフのヴァイオリンと音楽性豊かなクリュイタンスの指揮がベスト・マッチ！　懐の深い雄大な演奏です。オイストラフのヴァイオリンは野太く艶のある美音で堂々と風格あふれる音楽を描き出す、その気品ある美しい歌い回しと、独特の温かさがもたらす音楽の圧倒的なヴォリューム感は、まさに「大家の風格」という形容のふさわしいものです。20世紀におけるヴァイオリン協奏曲の一つの頂点を築いた、永遠の輝かしい記録がこのディスクに刻まれています。



オイストラフのヴァイオリンは、どこをとっても情感豊かで気品に満ち溢れており、とりわけ第２楽章における豊麗で歌謡性豊かな歌い方は、抗し難い美しさに満たされています。この気高い美しさを誇るオイストラフのヴァイオリンを見事に引き立てているのが、クリュイタンス＆フランス国立放送局管弦楽団による美演です。クリュイタンスのベートーヴェンに対する深い理解と愛着に根差した円熟の指揮ぶりが見事であり、重厚なドイツ風の演奏の中にも、独特の洒落た味わいが感じられるのが魅力的です。クリュイタンスの統率の下、フランス風の瀟洒な味わいの音色が魅力のフランス国立放送局管弦楽団も、要所においてはドイツ風の重厚な演奏を展開しているのが素晴らしいです。



どっしりと重心を据え、ゆっくりとした歩みの中から紡ぎだされる情感に溢れた佇まいはベートーベンのこの曲の内面的な気高さを十二分に表現し尽している。オイストラフのスケールが大きく深い表現力、そしてクリュイタンスの朗々として包み込むような腰の座ったサポートが一体となって大きなうねりのようになってじっくりとベートーベンの世界を描き出し聴く者の心に染み渡るように響き堪能させてくれる。歴史的名盤と呼ぶにふさわしい。録音も素晴らしい。



国内盤、帯無し、盤面傷無し



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