最後の晩餐

開高健

文藝春秋　1979　第1刷



380頁



腹のことを考えない人は頭のことも考えない、という。どん底の食欲、人肉嗜食から王者の食事まで、＂食＂の思想の考察と実践・鑑賞。全二十一章にわたる食談の名品！



目次

どん底での食欲

女帝を食うか、女帝に食われるか

華夏、人あれば食あり

スパイは食いしん坊

日本の作家たちの食欲

芭蕉の食欲

王様の食事

自然に反逆して自然に帰る

一匹のサケ

玄人はだし

大震災来たりなば―非常時の味覚―

ありあわせの御馳走

神の御意志（インシ・アルラー）のまま

天子の食事

一群の怪力乱神

腹に一物

最期の晩餐



開高健の作品を初読。食材、調理法、民族料理からカニバリズムまで多岐にわたる内容。博識で好奇心旺盛、人生経験を積んだからこそのバラエティに富んだ内容に感銘を受けた。さすがの表現力でヨダレが出そうになる場面もチラホラ。新鮮で面白かったので、別作品にもチャレンジしたい。



著者のトコトンやる性格が食において見事に開花した作品。 うまいまずいではなく、食を軸に歴史・政治・経済・文学・芸術まで多方面に展開しつつも、散逸する事なく最後まで読者を飽きさせない。 食という行為と排泄は表裏一体であり、食を語る以上は排泄も語らずにはおけない。等々。 著者の膨大な知識に圧倒されつつ読後感は一流の逸品を食べたかのような感覚に陥ってしまった。



なるほど『最後の晩餐』とはそういうことか。読み終えて唸ってしまった。序章と終章に書かれていることは間違いなく最後の晩餐である。開高健の凄さを改めて思い知った。（レビューより）



単行本　



カバーにスレ、天・小口・地に経年の汚れが見られますが中はきれいです。

開高健のエッセイはやはりすごい！



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