辻邦生 「詩への旅 詩からの旅」 初版本・1974年・筑摩書房・函
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商品狀態 | やや傷や汚れあり |
「・・なぜ私がとくに旅を主題にしたエッセーだけを集めたかと申しますと、もともと私が旅が旅行好きであるだけではなく、旅の日々に、とくに集中的に人生や文学や歴史について考えることが多かったように思えるからです。(中略)旅は日常の鈍化した心を目覚めさせるための良い機会です。早朝、モスクワゆきの列車の窓から、ロシアの白樺の林が霧の中に現れるのを見たとき、私の心が歓喜にしめつけられたのを忘れることが出来ません。(中略)むしろ現代に恐るべきもおがあるとしたら、こうした日常生活を支配する単純さ、感激のなさ、鈍磨した感覚です。そしてそこから逃れるためにーーー新鮮な生命感を得るためにーーー旅に出たにもかかわらず、逆に、旅のなかに、この日常の鈍化した生活感覚を持ち込んで、二重にも三重にも疲れて帰るという結果となるのです。
こういう心にとっては、旅はかえって多くの毒をもたらすことになります。退屈は旅によって上塗りされ、動かぬ心はさらに動かなくなるからです。(中略)
私はむしろ旅立ちをすすめるより、こうした日々を新鮮なものに変える眼を持つように、この旅を主題にしたエッセー集をつくりたかったというべきかもしれません。(後略)「あとがき」より
筑摩書房・1974年12月初版発行の辻邦生「詩への旅 詩からの旅」函付きです。装幀はブックデザイナーの栃折久美子です。経年のヤケも少なく、シミや書き込み、蔵書印などもありませんが、函の背角に少しヘコミがあります。
50年前の古書であることをご理解の上、購入の検討をお願いいたします。
※辻邦生の以下の作品も出品しています。
背教者ユリアヌス
春の戴冠
森有正
銀杏散りやまず
橄欑(かんらん・オリーブ」の意)の小枝
江戸切絵図貼交屏風
霧の聖マリ
国境の白い山
西行花伝
嵯峨野明月記
睡蓮の午後
天使の鼓笛隊
風雅集
冬の霧立ちて
ポセイドン仮面祭
こういう心にとっては、旅はかえって多くの毒をもたらすことになります。退屈は旅によって上塗りされ、動かぬ心はさらに動かなくなるからです。(中略)
私はむしろ旅立ちをすすめるより、こうした日々を新鮮なものに変える眼を持つように、この旅を主題にしたエッセー集をつくりたかったというべきかもしれません。(後略)「あとがき」より
筑摩書房・1974年12月初版発行の辻邦生「詩への旅 詩からの旅」函付きです。装幀はブックデザイナーの栃折久美子です。経年のヤケも少なく、シミや書き込み、蔵書印などもありませんが、函の背角に少しヘコミがあります。
50年前の古書であることをご理解の上、購入の検討をお願いいたします。
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