こちらは大阪のカメイガラスとサントリー美術館が協力し復刻した薩摩切子脚付杯です。
亀井節治氏率いるカメイガラスは、由利精助氏が中心となり途絶えてしまった薩摩切子の技術を忠実に復刻させたことでも有名です。
カメイガラス復刻の薩摩切子は「世界初の復刻薩摩切子」としてサントリー美術館と協力して昭和61年に商品化されたものです。ある意味、歴史的なお品物ですね。カメイガラスは残念ながら廃業されているとの事です。
現在人気の島津の復刻薩摩切子は、まさにここから始まった様です。

高さ11.5cm口径5.8cm。欠けはありません。製造時からのものと思われる目に沿ったスレが３箇所（うち一番目立つところを撮影。残りの２箇所は写真に撮せないレベルもの。）、気泡が１箇所あります。また、クリスタルガラスなどと違いガラスのモヤがあります。これらも当時の技術を再現した故なのか、と感傷に耽るのもよろしいかと。箱も木釘を使うなど、かなり拘りが見られます。製造当時からほとんど変わらない状態と思いますが、細かい点を気にされる方は現代の工業製品をお勧めします。

最後の２枚、サントリー美術館のお写真は参考のため付属しません。

素材···ガラス