オリオンの墓
あの冬満州に消えた難民孤児たちへ
発売日 2010/01/01
定価 1,500円
著 永井瑞江
ページ数 214p
2010.08.01 初版発行

目次一覧
はじめに
序章　満鮮に土着せしめよ
1. 小父さん何を掘っているの？
2. 僕、犬死にじゃないよ、ね
3. 星空の孤児たち
4. 山崎老人と三木親子
5. 1945年・最後の晩餐
6. 僕はシリウス
終章　日ソ激戦の跡に残ったもの

(目次 はしめに　から一部抜粋)
天はこれを書かせるために、この年齢まで私を生かしてくれたのだと思います。
2005年に私は「おばあちゃんの満州っ子日記」を出版しました、
植民地13年間の歴史を少女の目で見た記録です。
これで私の満州っ子の責任は果たしたつもりでいましたが、恥ずかしいことに今頃になって、1945年の重大な歴史を見落としていたことに気が付きました。
ソ連軍満州侵攻後、1年間の満州での日本人の死者の数245,000人と言われていますが、誰がどこでどんなふうに死にどんなふうに葬られたか‥、誰か知っていますか？
満州国の首都だった新京の場合、敗戦前のまま住んでいた日本人居留民10万人の所へ東満・西満・北満各地から日本人避難民15万人が辿り着きました。
これは、長春だけでなく、ハルビンにも奉天にも居留民の人数以上の避難民が溢れた‥、
でも避難民救済の財源はどの市のどこにもなかったのです。
そのため避難民の多くは餓死・病死・凍死してしまいます。
私の家族も北満佳木斯(ジャムス)を8月12日に逃げ出して綏化(スイカ)の収容所に1ヶ月、9月18日に新京白菊小学校収容所に一旦入った難民です。
私達は幸い新京に母方の祖母の家がありその庇護のおかげで無事に越冬できましたが、
もし祖母が居なかったら私の家族も、暖房も食料もない収容所で弟妹から順に死んだとおもいます。…

＊北満佳木斯(ジャムス)
＊綏化(スイカ)
　中国黒竜江省の地級市

ほぼ流通されてない本です。

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