マーラー

交響曲第4番 ト長調



指揮:ヤッシャ・ホーレンシュタイン

ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団

マーガレット・プライス(ソプラノ)

1970年録音



ホーレンシュタイン(1898〜1973)の数少ないマーラーのスタジオ録音盤です。第1楽章は18分近く(通常は15分前後)もかけてゆっくり耽美的かつ天国的に進めていきます。さらりとやられてはこの曲の良さは伝わらないので、ホーレンシュタインは流石だと思います。3楽章も心に染み入り感動的です。録音も含め全体通してバランスの良い仕上がりです。名曲名盤の選定では上位にくることはないので、隠れ名盤と言えるかも知れません。貴重な逸品です。



「知られざる名盤」ホーレンシュタインがEMIに、こんなちゃんとした録音を残していたとは知らなかった。遅めのテンポで懐の深い演奏。「マーラーをそんなに忙しく指揮する必要はないんだよ」と言っているよう。



第１楽章は曲から距離を置いた感じの目立たない印象で始まります。しかし、ホーレンシュタインが本作品には格別な音色が必要なことを熟知しています。シンフォニックに演奏されますが、形式張ることなく、聴くものを魅了します。展開部における、やや躊躇するようなアプローチが若干の恐怖感をうまく引き出します。完璧とも言える遅めのテンポによって迫真のドラマを完璧に描写しています。そのクライマックスは壮大で威厳に満ちています。このようにホーレンシュタインによる第1楽章は、構造的な完璧さ、広がり、その一方で、魅力に溢れた優美さや恐怖感を表現している点が素晴らしいです。第2楽章も、音楽から距離を置き、テンポはやや緩く演奏されます。このアプローチが夢見るような感覚を創り出すことに成功しています。第3楽章でも、ホーレンシュタインは緩徐楽章のフレージングを自然体で行なっています。音楽に最適なテンポを採用して、音楽そのものに語らせるアプローチです。最終楽章は、マーガレット・プライスの非常に柔らかな歌声のソプラノで歌われます。



国内盤【廃盤】【希少盤】帯無し、盤面傷無し



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