ショパン

①ピアノ・ソナタ第2番「葬送行進曲付き」

②ピアノ・ソナタ第3番

③幻想曲 へ短調 作品49



ヴラディーミル・アシュケナージ(ピアノ)

録音:1975年〜1981年



「アシュケナージのショパン」は「カラヤン指揮のオーケストラ」同様に、クラシックの世界では定番中の定番です。中庸な表現は作曲者の思いをストレートに伝えてくれます。「何も足さず何も引かず」決して大げさでもなく、かといって冷めすぎてもいない。ここに収録された2曲のソナタと幻想曲を聴けば、疑いなく、これこそショパンであるという、熱い思いに満たされます。。アシュケナージの重層的なピアノは美しい輝きを放ちながら鮮やかな構造物を作り上げます。不安と絶望に支配された圧倒的な力強さを秘める第2番。透明な悲しみとパッションの奔流が交差する第3番。アシュケナージは究極の美音の持ち主ですが、威圧感のある演奏ではなく、聴く者に寄り添う演奏です。 ライナー執筆:宇野功芳氏(音楽評論家)



音楽評論の第一人者、吉田秀和氏がアシュケナージの演奏に感嘆しながらも、「彼があまりにも中庸を愛するピアニストになってしまうのではないか」と危惧していると何かで書いておられた。私見ですが、氏の危惧は、幸いにも杞憂であったと思う。というのは、彼の数多くの録音活動により、多くのクラシック・ファンを掴んだのは「オーソドックスの強さ」があるから。オーソドックスな演奏というのは真ん中を行っているし、全方向からみて等位の強度を誇る演奏である。アシュケナージの場合、それだけでなく天性の「詩情」を備えているのだから、より「強い」オーソドックスを生んでいます。



国内盤、帯無し、盤面傷無し



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