●江戸明治和本●参宮名所書［参宮名処記］ 稀書往来物

【判型】大本1冊。縦250粍。

【作者】猪又峯吉書。

【年代等】弘化4年7月書。

【備考】分類「往来物」。全冊『参宮名所書［参宮名処記］』は、北陸各地を始め、相模(鎌倉)・信濃・伊勢・大和(奈良・吉野)・紀伊(熊野)・摂津・和泉・山城(京都・宇治)・近江・三河・伊豆・江戸に至るまで、諸国の参詣(参宮)地や名勝地を紹介した往来物。「此度拙者就参宮仕候、下向之為御祝儀、遠路御飛脚、殊更金小判被懸御意、御心入用之段、一入過分至極奉存候。如仰、拙者道中無事罷下、満足此事二候…」と起筆する文章で、諸国参詣を果たした者が参詣路のあらましについて語るという想定で綴られ、適宜、群集で賑わう山景地や人々の様子などにも触れながら諸国各地を列挙した後、「…此外、国々名所旧跡、唯今難尽筆紙、早々申進候。何様面謁之節、委細可申述候。恐々謹言」と結ぶ。本文を6行・ほぼ無訓で記す。巻末に「神の道・仏の道をつたふるに、文字より外に何かあるべき」など2首の教訓歌を添える。

★原装・状態概ね良好。稀書(他に所蔵無し)。