Laurie Anderson : Big Science

Label : Warner Bros. Records – 7599-23674-2

Format : CD, Album, Reissue, Repress

Country : Europe（France)

Released : ?

Disc : 目立ったキズや汚れなし

Jacket : ブックレット、ごくわずかな使用感

Case : プラケース、目立ったキズや汚れなし



○言わずと知れた40数年前の名盤、レビューについてはWeb上に豊富にありますのでここではこの作品についての1冊の研究書を。

"Laurie Anderson's Big Science" S. Alexander Reed

https://global.oup.com/academic/product/laurie-andersons-big-science-9780190926014?q=laurie%20anderson&lang=en&cc=jp#

漠然としていてわかりにくいのですが、ローリーは82年のこの作品で意味・規模・アイデンティティが崩壊していると警鐘を鳴らしている、とし、アイデンティティがデジタル化で分散されている現在（2021年出版）、このディスクはサウンド、政治、ジェンダーに関わる表現が日々重要性を増していることを示している、、が出版社による概説。

内容に少し踏み込むと、原子物理学者アルビン・ワインバーグの「ビッグサイエンス」の概念化に「 1980 年の新自由主義的変化」「ビッグデータの急増」、「個人と公共または集団のあらゆる感​​覚の両方を匿名化する付随力」、「広大な企業構造を構造的に活用する方法」を関係づける、ということだそうです。

ローリー自身は批評家や学者連中が作品を描写することがほとんどないまま文学的・哲学的な理屈づけで印象批評や解釈をしていることをかなり嫌っており、それを受けての記述的な書籍になっているよう。

聴いた後に残る印象を、①臭わせぶりに事欠かない、②含意を読み取ろうとすればオックスフォード出版から本が出せるほどの豊穣、のいずれに思うかは聞き手次第。サウンドの個性もさることながら、問題提起でありながら説教臭いわけではない現代芸術っぽいニュアンスがリイシューを重ねてきた理由かもしれません。