ワシントンD.C.にある彼女の個人的な庭で撮影されたテリ・ワイフェンバックの写真は、都会の庭に巣を作る鳥たちが生息する自然の秘密の世界を明らかにしている。幻想と現実の間を揺れ動く彼女のイメージは、鳥たちがトップスピードで疾走したり、ダンスを踊ったり、あるいは落ち着いたり、固まったり、集まったりする様子を密かに撮影したもののようだ。季節は次々と移り変わり、庭の色もさまざまだ。飽和した光と色、ぼやけたディテールと透明なディテールの戯れ、フリーズ・フレームが「超現実」を描き出す。ワイフェンバックは、私たちを限りなく小さなものに没入させ、とりわけ生き生きとした素晴らしい世界へといざなう。

本書は、さまざまなアーティストのビジョンを通して、いまや脆弱な存在となった鳥たちの絶大な存在感を讃える「Des oiseaux（鳥について）」コレクションの一部である。これらの写真に付随して、鳥類学者ギレム・レザフレが特別エッセイを執筆。本書のために、彼は都市環境における鳥の適応について光を当てている。