1975~6年ころ、大阪で入手したものです。索引欄には前所有者による赤鉛筆の書き込みがあり、裏表紙にはガムテープではないかと思われる物を貼った跡があります。当時各映画会社は、自社の映画を学校や公民館その他の団体等に貸し出すために16mm版を制作し、そのリストを小冊子にして配布していたのではないかと思います。畑正憲氏が北海道に動物王国を作る前は、岩波映画で教育用の16mm映画を制作していたことはよく知られています。　　　掲載されているタイトルを一つ一つ見てゆくと、市川雷蔵、勝新太郎、三船敏郎、片岡千恵蔵、若尾文子、高峰秀子、田中絹代……と、昭和の名優名女優の名前が次々に出てきます。短い粗筋も書かれており、出演者の名前と一緒に読んでゆくとすべての映画を見たくなってしまいます。185作品が載っていますが、現在レンタルショップで借りたり、購入可能なものは30点くらいではないでしょうか。大きな町や市では、今でも映写機とスクリーンを保管し貸出しをしている公民館のある可能性があります。ただし、16mm映写機を操作するためには、講習を受けて資格を取る必要があります。　希少本につき、少々高値とさせていただきました。