赤と青のガウン　オックスフォード留学記
彬子女王

文庫版
購入後、一読。

留学の奮闘のなかで、ひとりの純粋素直な人
としてまっすぐに、学び成長される姿を
親心のような気持ちで読み、関心せられます。

お父さま殿下への想い、闘病や日常の
あっけらかんとした部分は皇族の生活、
という部分を、人としての魅力、弱さも
感じられ、逆にそういう自然の生き物としての
本来にちかい人間と、オフィシャルな部分の
ギャップと両面感じられ、親近感というか
民として生きる人にとって、解き放たれる
思いがした。

泣いていい、病気になっていい。
依存症でもいい。愛してもいい。悲しんでもいい。

そして、英国の人のおおらかさに、
肩肘を張らなくてはならない生き方から
精神的呪縛を解放せられるような
カルチャーショックを疑似体験できる。

もっとおおらかでいい。心だけでも。
自由に。また、博士課程への苦労も語られ、
人に心配かけたくないばかりに認められない
無念さを素直に説明責任が足りず、
自己本位の殻のなかに閉じ籠もっていた
という反省ができるところ。

人ひとりでは息詰まるのを、人との交流や
雑踏に身を置くことで脱する術など、
生き方も試行錯誤、そして回復し苦難を
乗り越えて、甘んじず努力された立派な
姿が描かれている。