ブルックナー

交響曲第8番ハ短調 WAB.108



指揮：カール・シューリヒト

ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

録音：1963年12月　ウィーン、ムジークフェラインザール

　ステレオ（アナログ／セッション）



ブルックナー・ファンにとって語り草となっている演奏で、シューリヒトにとっても生涯を通じて最高とされる名盤です。名門ウィーン・フィルを駆使して、スコアを尊び堅固な造形力を発揮した演奏は、ブルックナーの真髄を伝えます。虚飾のない振る舞いから生まれる絶大な説得力によるシューリヒト畢生の名演です！人気音楽評論家：宇野功芳氏が執筆しているライナーの解説文も読みごたえあります。



シューリヒトが最晩年にウィーン・フィルとともにスタジオ録音したブルックナーの交響曲第８番と第９番は、宇野功芳氏を含め多くのクラシック音楽ファンに支持されている不朽の名盤です。1960年代前半という時期を考えると、ブルックナーの交響曲については、いまだ改訂版を使用した演奏が跋扈するとともに、ヨッフムが最初の全集を録音している最中であり、ましてや朝比奈やヴァントなどは箸にも棒にもかからない若造。その意味では、当時においては本演奏は画期的な名演であったことが十分に理解できます。本盤の特徴な「テンポが速く、頻繁にそのテンポを変化させ、ダイナミックレンジを相当に幅広くとり、またブラスセクションによる最強奏も圧巻の迫力を誇っている」というところですが、すべてが自然に、かつ無機的な音は皆無であり、常に懐の深い音色に包まれているのが見事というほかはありません。そして、演奏全体の造型がきわめて引き締まっており、ブルックナーらしさをいささかも失うことがないというのは、シューリヒトだけに可能な圧巻の至芸です。この名演に適度の温もりと潤いを付加して美しさの極みを実現しているのは、ウィーン・フィルだからこそです。シューリヒトはこの録音のあと、ウィーン・フィルの名演奏に感激して涙したとのことです。



ブルックナー入門には、第4番「ロマンティック」や第7番をオススメしますが、やはり最高傑作といえるのは、第8番もしくは第9番ということになるでしょう。



国内盤、帯付き、盤面傷無し　

プラケースすれあり



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