ハンス・ホイヤーのフレンチホルンマウスピース「2」、シルバープレート（銀メッキ仕上げ）です。 「MEISTER HOYER 2」という精密な刻印がしっかりと入っています。新品未使用品ですが外装箱は付属しません。
外観はヴィンセント・バックのニューヨーク・ブロンクス期〜マウント・ヴァーノン期のマウスピースを模したようなデザインになっていて、ボディ中央部にクビレた箇所がなく、リム外側からシャンクにかけてなだらかに繋がる形状になっています。 それによって標準的なホルンのマウスピースに比べると、ややヘヴィ・ウェイトと言えるボディになっていて、手に持った感じも少し重みを感じます。 極端に重いという感じではありません。
シャンクはアメリカンシャンクで、ハンスホイヤー、ヤマハ、ベンツェルマインル、コーン、ホルトン、パックスマン、io（イオ）など、多くのメーカーのホルンに適合する扱いやすいシャンクです。
詳しいスペックなどは不明ですが、リム内径は標準的な17.5mm程度になっています。 ややフラット気味な形状で、厚みは標準的です。リムの内側には適度なエッジが設けてあります。 厚すぎないリムは唇のコントロール性が良く、跳躍を多く含むフレーズなどで音を外すことが減る効果もあります。
カップは標準的な深さで、ややUカップがかったVカップといった形状で、UカップとVカップの両方の良い部分を得ている優れたデザインだと思います。 カップ内には敢えてうっすらとヘアライン状に旋盤の加工跡を残してあって、カップの中で息の流れや響きが微妙に複雑な乱反射をすることで良い音色を生み出すという話も聞きます。
ボア（スロート）はおそらく4.4mm〜4.5mm程度になっているようです。 シャンク先端はやや薄めで、非常に精緻で美しい仕上げがなされています。
音色はダーク気味でコクのある魅力的なサウンドがします。マウスピース自体に少し重量があることも影響しているようで、重心の低い音色で音量も得られます。 ff（フォルティッシモ）でも音色が破綻することがないので、スケールの大きい演奏にも貢献してくれそうです。 浅すぎないカップで高音域も比較的楽に演奏することができます。