お金は無いけど三年分のいい薪があるよ、と田渕義雄は笑う。季節のこと、友のこと、釣りのこと…。緑の中の山村にじっくり腰を落ち着けた彼が、山から送るメッセージ。『森からの手紙』に続く『ビーパル』連載エッセイの単行本化第２弾。

も　く　じ　1、 寒山の冬の夕暮れ。新しい夏をおもっている　2、 ラジオはいい。とくに好きなのはNHK第二の気象通報　3、 肉体労働者のためのファッション・ショーがあってもいい　4、 オオヤマザクラが咲いたら、ぼくは川へ釣に行く　5、 自分だけのものなど何も存在しない。イワナもタラの芽も　6、 千曲川の源流を守る〃虹の戦士〃になるぞ！　7、 好きな人生を好きに生きる。何の不思議もなけれど　8、 新しい夢を携えて、新しい季節の扉を　9、 自称、ソフトハウス研究家の血が騒ぐMOSSのテント　10、芸術としてのテント。ランドルフの薪ストーブ。それからアメリカの鱒釣り　11、芸術的自給自足こそが、いい暮らしへの近道　12、自然を見つめることは、自分の人生を見つめることなんだな　13、円高ドル安が続くと、金峰山川（きんぽうさんがわ）のイワナがよろこぶ　14、白い丘の上の春日幻想　15、ラジオのニュースでは、今日は西暦何年の何月何日の何曜日かということを報道してくれないと困る　16、寒山春日鳥日和　17、ぼくは今、寒山自給自足的菜園家です　18、季節がゆっくりと巡り、また寒山に夏。ぼくは七月の光のなかで、今日も草取り　19、寒山夏日鮮菜畑幻想　20、週末が来る。